嵐の中で輝いて

一握の砂、大海の一滴にでもなれるものなら喜んで

嵐に落ちた話。

私が嵐を好きになったときのことを書いておこうと思いました。

なんかド新規だしあるあるパターンだと思うし恥ずかしいな~と思ってたんですが
最近、嵐にハマっていく人をお見かけすると全力でめちゃくちゃ嬉しいしあったかい気持ちになるのに気づいたのと
自分でいつか…、いつだろう? 記憶をなくしたりしたときに見返したいと思ったので!

※ちょっと暗い話がありますので産後うつ的な方は閲覧注意です!





そのとき私は人生で一番痩せ細り、弱りきっていました。
具体的には新生児と幼児を抱えて、夫は海外へ赴任、自分も渡航準備をしなければならず、両親も義両親も頼れなかったためネットスーパーやファミリーサポートを使い倒し、代わる代わる友達に泣きついては家まで呼び出す…、といった状態です。
ほとんど眠れず、ろくに食べられず、肋骨が常に浮き出て、悲観的な考えしか浮かばず…。口からはため息か愚痴しか出てきませんでした。

そんな中、ふとしたことから私は出会ってしまいました
…VS嵐と。

実はそれ以前にも、1度だけ見たことがありました。その時の感想は割愛しますが、今抱くものとはかけ離れていたので、なぜその時VS嵐を選択したのかは思い出せないのですが、きっと理由はないのだと思います。何でもよく無作為に選んだうちの1つだったのでしょう。適当に、偶然に。
…ところが、私の心はオープニングトークですでにかなり掴まれてしまいます。

なんだこの…、かっこいい男子が5人楽しそうに喋っているのをみていることが許されている状況…?!?!

リアルでは男子同士の会話をこうして聞くことはありませんよね、そこに私がいると男子同士ではなくなってしまうし、知り合いでもないのにそちらをじっと見ていたら不審がられ、やはり会話を聞くのは不可能になります。
私は残念ながらそんなにモテたこともなく、男子と気兼ねなく話せるみたいな位置にいたこともないので実態は分からないながら
内心ずっとずっと抱えていた思いがありました。
「男子になりたい」
あの何が楽しいかわからないことに熱中するかんじ、誰と誰が仲いいとか関係なくみんなで遊べるかんじ、あそこに混ざってみたいな、楽しそうだなぁって
それは結局、自分を認識しない男子同士の楽しい会話が聞きたいということだったのだと思います。
その夢がいとも簡単に叶っているのです、もうなんだか有り難すぎて罪悪感さえ感じたことを覚えています。

こんな素晴らしい番組が…?! テレビで…?!?! えっ本当に見ていいの…? 私が? 大丈夫?!

そしてもう見れば見るほど毎秒全員本当に本当に存在が信じられないほど顔がかっこいい…!!!!!

しかもすごく若くない…? えっ…? 大学生なの????? 嵐…、嵐だよね?

嵐さんのことは存じておりました、デビューした当時それはそれは話題になりましたからね、CD買ってない私でもカラオケでラップまでちゃんと歌えるようになるくらいには誰かしら友達が入れて歌ってたのでしょう、
でもこんなに素敵だった…?!

こんなに美しい生き物が…、なんか…楽しそうに他愛ないスポーツっぽい遊びをして…はしゃいで…面白いことを話してかっこいい顔で笑っている…?! 何事なの? これがVS嵐…、この人たちが嵐…、あのA·RA·SHIの…、嵐…



私の両親は、将棋とサッカーとニュースとオリンピックと紅白以外のテレビを見ることのない人達だったので、私も子供向けと上記以外の番組を見る習慣がなく、いわゆるバラエティ番組というものは20台後半でおそらく初めて見ました。そこに出ている人は皆バラエティ番組に出るのがお仕事、という認識でしたので、その時の私にとって嵐さんは
「非常に美しいバラエティタレント5人組」(笑)
バラエティタレントとしての活躍、さらに言えばVS嵐ひとつだけでも、私の生きる意欲になるには十分でした。あの楽しさをまた味わいたいという欲求が、私を突き動かします。
子供のEテレやプリキュアをたまに録画していただけのレコーダーで、初めて毎週繰り返しの録画を予約しました。
それからというもの、木曜日は言わずもがな、金曜は余韻にひたり、土日は夫が連絡をくれたり友人の都合がついたり、そのおかげで月曜日は比較的落ち着いて過ごせ、火曜日にもう一度録画したVS嵐を見れば、水曜日にはもう幸せな気持ちでいっぱいになれています。
なんといっても明日は、また新しいVS嵐を見ることができるんです!



病は気からというのは本当ですね、泣き暮らしていた私が笑うようになると、上の子がすとんと落ち着いて赤ちゃん返りも減り、そのおかげで少しずつご飯が食べられるようになって、そうすると授乳が軌道に乗り、下の子の寝る時間が増え…、我が家は瞬く間に、嘘のように平和に明るくなっていきました。
程なく嵐にしやがれの存在を知り、私の生きる糧はさらに2倍に膨らみます。幸せに目が眩む思いで、録画の設定をしたのを覚えています。



実は、そこから先へ踏み出すのには少しだけ時間がかかりました。
ドラマというものに本当に縁がなく、一体バラエティ番組ほどの喜びが得られるものか見当がつかなかったのと
本当に情けなく恥ずかしながら、私の中にはジャニーズタレントさんへの偏見ががっちり根付いてしまっていたからです。
ところが恐る恐る見てみたSPドラマ(今日の日はさようなら)で大泣きして
次に見てみたSPドラマ(車イスで僕は空を飛ぶ)でも大泣きして
意を決して見てみた連続ドラマ(流星の絆、再放送)で、私の懸念も偏見も、本当に的はずれなものだったと知りました。



さらに嵐さんの本業たる歌なのですが、私はほんのちょっとだけ音楽を趣味にしていたこともあり、生意気ながらかなりの覚悟を決めて聴きました。
先述した偏見がここに来てまた顔を出したのに加え、ここまでオールパーフェクトをたたき出してきている嵐チーム、まさか歌までうまいとかそんなチートがあるわけないという思い込みもありました。
どんなにどんなにどんなに私の好みと合わない()歌であっても、私はこの人たちを嫌いになることは絶対にないと強く念じ、目を閉じて、祈るような気持ちで手に汗を握りながら再生ボタンを…。
その結果、嵐の歌に衝撃を受け感動し、天が二物どころか、惜しみなくいくつもの才を与えた(もちろんそこにご本人様たちの継続した努力があるわけですが、このときはこういう気持ちでした)ことに感謝し、晴れて嵐ファンとしての転生を果たしたわけです。



そこからは、私の人生の経験が活きました。
私は軽くオタクで、オタクからの愛とはすなわち公式に払わせていただくお金に他ならないと肝に銘じてありましたし、
私にはジャニオタの知り合いが3人いたのですが
そのうちの1人、とても麗しく上品な女性が、バーコードだけ切り取ったお菓子を箱ごと職場で配りながら宣った言葉をはっきり覚えていたのです。
「クオカードが欲しいのではないの…、
このキャンペーン中に商品がより売れたという実績を作ることで
起用してくださった企業のかたに
彼の良い印象を持っていただきたいの
…もちろんクオカードが当たれば、それは嬉しいけれど」



そして
子供を2人産んで、人生の「自分の番」は終わったと思っていた
子供を作るからには少なくとも数年の間、自分の個人的楽しみは一切放棄してしかるべきと覚悟を決めていた
どんな小さな額でも、買い物は事前に申請、買ったらレシートを添えて報告してきた
そんな私が、夫に言わずに、ポッキーを買いました。お店にあるだけ、全部。
デビルニノちゃんのカードは結局当たりませんでしたが、私は幸せでした。
報告は、食費としてまとめてしました(笑)



…私が嵐さんと出会ったお話は、これでおしまいです。
4年と少し前のことになります。
たった4年です。20周年の重みなんて分かりようがない、成人と並んだ幼稚園児です。
新規でも関係ないよと仰ってくださる先輩、もちろん関係なくはないんですが、そのお気持ちやお言葉が、私のようなファンを受け入れ、増やしてきたのだとありがたく思い、お言葉に甘えさせていただいております。
これからも、たくさん嵐さんのお話を一緒にしてください。ご迷惑のかからないよう気をつけたいので、至らないところを教えていただけると嬉しいです。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
お手紙みたいになりました。笑



最後に、蛇足ながら…


私は大野智さんが好きです。
お顔が美しく、背が高すぎず、手が綺麗で、
仙人みたいに何事も気にしない風情でいるのに急に振り切った笑いをぶっこんでくるし、
驕りの全く混ざらない、水のように澄んだ歌声と
全ての音をしなやかな体すべてで可視化するダンスを惜しげも無くみせてくれて、しかもそれらが進化し続けているし、
セリフが多いと嫌だなんて言いながら、役の人格が乗り移ったような演技でキャラクターと物語にのめり込ませてくれるから、好きです。


私は櫻井翔さんが好きです。
整った目鼻立ちというもののお手本のような完全無欠バランスのお顔、
知ったかぶりもひけらかしもせず臨機応変に正しく用いられる圧倒的知性、
なのに時に驚くほど天然で、やんちゃな男子の残り香をまとっていたりもして、
ワーカホリックぎみでスケジュール魔で仲間思いで、
とても美味しそうに食べ、心から楽しそうに笑い、
コンサートでは天井席の価値を上げながら力強く伸びやかに歌い踊るところ、
ラップで、連載で、使い方は難しいけれどもとても強力な言葉という武器で、目の前の闇を切り裂くような凛々しさが好きです。


私は相葉雅紀さんが好きです。
爽やかで明るい満開笑顔で誰もがちゃん付けで呼べてしまう気さくなお兄ちゃん的な雰囲気も
さらっと強めなことや黒めなことを言うと一気にかっこよさが増すところも
本当にスタイルがよすぎて、足が速くて女子や子供や動物に優しくて、小学生の考えた最強のモテる男子みたいで
何より、いつも温かい気遣いの言葉が咄嗟に出るのは本心の証だと思うから好きです。


私は松本潤さんが好きです。
行き過ぎてむしろおかしな先入観さえ持たれる、かっこよさの代名詞のようなお顔、
屈託なく笑ったり、気になったことはすぐ言ったり、新しい物事や多種多様なジャンルのインプットを柔軟にできる素直さ、
多忙の中で歌もダンスもお芝居もますます磨き上げながら、嵐のコンサートを率先して作っていく底知れない努力、その努力の結晶を惜しげもなく広めようとする無欲さ、でもやっぱり嵐の中では末っ子の天使に戻っちゃうところが好きです。


そして、私は二宮和也さんが好きです。
彼を知り、私の中には自担というカテゴリが創造されてしまいました。
これはどうしようもないことで、私だってどんどん魅力を見つけて何度も惚れ直して、どうにか考えて言葉に落とし込んで落ち着こうとしながら、冷静になるどころかますます好きという感情が溢れて、言葉の定義が置き換わり広がっていくのさえ感じていて
どこが好きかと敢えて言うならば、彼がファンに対して知ることを許してくれている全てです。私は人間としてとか、存在そのものとか、そんなことは言えなくて、私は彼のことを、私が彼を見つけて(というか私のぼんやりした視界に入ってくるほど目の前まで彼が存在を広げてきてくれて)から、公式に発信された映像、写真、インタビュー素材から記者さん編集さんが作り上げた文字列、のうちのごく一部しか知らなくて
それでもそのひとつひとつの全てが見えないサイズの粒のように降り積もって私の心に形作られていくもの、が大切な宝物です。
畏れ崇めながらせめて僅かでも自分の中のかけがえない輝きを損なわせてしまわないよう、何かできることがないか我が身を省みざるを得なくなる
そんな存在です。
…でも、他の4人より好きなのかというとよく分からなくなります。カテゴリが違うだけ、違う種類の好きなだけなのかもしれません。


そして、こうして書き連ねた言葉たちを、ただ「嵐が好き」の4文字で書き表すことができるのが最高にクールで完璧に整った様式美だと思っています。
嵐、色もカットも違う宝石のような5人、どんな風に並べても光同士が反射しあって輝きを強める、奇跡的輝石。本当に、本当に本当に好き…!



これから他の人を好きになることがあるのかもしれない。嵐さん側が、もうファンを続けることのできない状態になってしまうかもしれない。
先のことはわかりません。
でも今、私は嵐さんが心の底から好きです。
大海の一滴でも、砂の一粒でも、長い長い列の最後尾でも、ただの数字の1でも、その中に加われたことが誇らしく、嬉しいです。



つい長くなってしまいました。最後までおつきあいいただいた方、ありがとうございました。

…さぁ、何回「好き」って言ったでしょうか!!!!!